福山へ

ずっと昔の事だけれど、私たちの結婚の時は、お仲人(おなこうど)さんがいました。
そして、結婚してからも、たくさんお世話になりました。
まだお二人とも健在ですが、奥様の方が階段から落ちて入院されて、数ヶ月たちます。
福山で会社を経営されていたので、そこの会社へは何度も行きました。
ご主人が引退されて、何年かたちます。
お孫さんが会社を継がれて、ホッとしているところでしょうか。
以前、秀光が鞆の浦の木版画を頼まれて制作して、一度は断捨離で戻ってきたのですが、「また返して欲しいなぁ」という事だったので、今日二人で持って行きました。

ニコニコとご主人も出てこられて、1時間ほど娘さん達と一緒にお話しして、版画をお返ししてきました。
帰り際に、私の方をトントンとたたかれて振り向くと
「実は、お父さん、認知症が進んだんですよ」という話を娘さんから聞かされました。
ちっともそんなふうには思わなくて、5ヶ月ぐらい前にクアトラに来て、「鞆の浦の版画をまたみたいな、あれ返してくれんかの」と言われての今日でした。

時間が経ったんだな、、、私たちは、ご恩返しもできないまま、貧乏画家のまま時を過ごしてしまった。
頑張っているのです。
最後まで、頑張ります。
大したことはできないけれど、こうやって会いに行きますね。

そんなことを思った1日でした。

その後は、本通りにある sankaku という知り合いのギャラリーへ。
私は初めてでしたが、やっとご挨拶できた感じです。
素晴らしい着物と帯の展示でした。
なくなった叔母から譲り受けた着物と帯など、和装のもの、あまりにも素晴らしいので知り合いのギャラリーでの展示となり、売上金は能登へ寄付されるらしいです。
日本の伝統工芸の最高の技術を使った、着物と帯。
多分、今ではできない凝った染織の数々。
素晴らしかったです。
江戸小紋から綴れ帯から、大島紬やら結城紬やら、古代紫やら藍やらで染めて、全てがお洒落着・・というところがすごい。
24日までで12:00からです。
写真ではわかりにくいけれど、、、私は着こなせないけれど、似合う人にまだ着てほしい。

細かい刺繍です。

素晴らしい型染めかな、、、糊の技術がすごい!
一松仕立てにしているらしいです。

右の帯は、臈纈(ろうけつ)のようで、織物です。

木版で染めた着物もありました。

学生時代、染色をしていたので、とても懐かしく良い時間でした。

それから、わたなべ画房という画材屋を覗いて、食事をして、無印良品とかカルディなんかに行って、帰ってきました。
長い1日。
出かけたので、夜、仕事をしています(笑)

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